歴史と伝説のなかで彩られている会津の旅にお役立てください
会津の案内人






F 「神指城跡」 簗田直幸 著 提供: www.voice-town.com
二の丸土塁の跡、国指定天然記念物「高瀬の大ケヤキ」の下にたたずみ本丸跡を眺めると、その城郭の大きさに驚いてしまう。 本丸は東西約290m、南北約308m、大手口(東門)・搦手口(西門・北門)に橋を架けて、本丸の土塁は約10.5mの高さに石垣を積んで囲んだ。
石垣には横矢懸りが、三方の城門には虎口の備えがあった。 鉄砲の土場を米沢関村高湯に設置鋳造して、射撃の練磨を奨励し、兼続は鉄砲稽古定(慶長9年11月)を作った。
上杉家の「鉄炮一巻の事」によれば、それ以前から鉄砲の研究練磨が奨励されていたことがわかる。越後から若松へ国替となった折、鉄砲づくりの師匠、駒木根右近、小川藤次、月岡八右衛門を仕えさせ、天寧寺、瀧沢などで鉄砲を製造させ、その弟子となって技術を習得していた。
さらに伏見上洛の折も、「種か嶋」の鉄砲の技術を手をまわしてぬすませるほどに力を尽くしていた。
兼続は、「家中老若によらず、鉄砲を心掛け、昼夜共にすき申、けいこをもよく仕えよ」と申し付けている。
二の丸は東西約581m、南北約526m。土塁の底辺は約27m、外濠の幅約54mの規模で、阿賀川の分流の応湖川や湯川から水を引き入れ、水上運搬や新潟港からの水運も計画されていたという。
近世都市城郭が会津盆地に壮大に計画され築城されていたわけである。「六月初に至り城の地なる」(『異本塔寺八幡宮長帳』)とあるので、本丸の堀・石垣程度はできたのであろうか。
E 「石曳之道」 簗田直幸 著
提供: www.voice-town.com
石山愛宕神社の北に大龍寺があり、蒲生氏郷の母・お桐の方が眠っている。
この裏山が石切山である。いまも集落の人々の里山として貴重な財産区になっている。
ここの石が切り出され、神指城に、さらには鶴ケ城の石垣に利用されている。
石曳の道の面を突き固めたり、一部は石を敷いて用いたと思われる。いまその道を歩いてみると、数か所に石敷きの坂道を見ることができる。当時のものではないかもしれないが、整えられた石敷きの道を、石曳き手たちも使用したことであろう。
その様子を本染めの手拭に「きりえ」再現して作成してみた。
石曳の道は西へ西へと下って行く。下って行くと旧白河街道と合流する。この街道は加藤嘉明によって滝沢街道が整備されるまでは、白河への中世の道であった。その道を西へ西へと曳いて行く。外堀にあたるこの道は、当時はまっすぐに石を曳くには平らで、適した通りだったのではなかろうか。
興徳寺の北側を通り、北小路に出る。通りには、田中稲荷神社、長福寺御姥様などがあり、湯川橋本の涙橋に至る。当時の架橋の位置は、現在より50メートル程上流の場所であったろうと推定されている。舟橋か木橋が架かっていたのであろうか。
湯川を渡ると左手に作業人夫たちの小屋が建ち並び、右手の字酒槽で酒造がなされ、毎夜日中の労を兼続はねぎらったと伝える。石曳き道は、東城戸の村を過ぎ、まっすぐに二の丸、本丸をめざして曳き込まれたことであろう。 ・・・
(写真) 修羅に石をのせて曳く



D 「切石築城」 簗田直幸 著 提供: www.voice-town.com
戦国の嵐が再びやってきた。権力と栄華を極めた太閤は、慶長4年(1599)8月18日死去し、大名たちの天下取りの夢が再開された。
景勝は上洛し10月7日京都の伏見邸に入る。
太閤亡き後の五大老のひとりとして、朝鮮出兵の収拾などにあたりながらも、領国会津をみきわめていく。領地内では力強く激しく、上杉の領国支配が行われていた。
その最大の土木工事こそ、蒲生氏郷が築いた城の北西に奥州一の城下を築く大都市建設事業であった。上杉がこの城をなんと名づけようとしていたのかは定かではないが、地名から「神指城」と呼ばれている。堀を掘り、土塁を築き、石垣を積む。神指は大川に近い地形にあるので砂利は取れても、石垣に使える石は取れない。そこで兼続が目をつけたのが慶山石山の石である。
・・・ (写真)石曳山にて
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